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題詠blog2010にチャレンジ。

今更ですが、今年も、題詠が始まりましたね。

参加してみたいと思うのですが、最近やや歌を詠む量が少なめだったので、
リハビリとして、不参加だった題詠blog2010のお題に挑戦してみました。

100首で約4時間。全体的に即詠だったので、発想出たとこ勝負なところがありましたが、いい経験になりました。
誤字とか題の詠み込みミスとかあるかもしれません。
今年の題詠は、もう少しきちんと推敲したいと思います。

でもやっぱり、即詠って楽しい。



001:春
春霞陽射しに溶けて降る花のつぶ一粒を手のひらに受く

002:暇
昨日そばにありし人びと今はあらず暇なき午後の春の川端

003:公園
山遠く大き鞦韆日を受けていつくし子らの声揺るる公園

004:疑
疑ひを潜めしころの君が名はやや低音に発音せしか

005:乗
馬の牽く大き車に乗らんとてはるかなる原に出でにける吾

006:サイン
髪長き乙女の爪をうすらかに染めたる青き嫉妬のサイン

007:決
決戦に臨む人らは指を見て目を閉ぢそして顔を上げけり

008:南北
走るにはやや長き橋南北にわたせる川の水おそろしき

009:菜
書架に積む菜根譚の小口すすけ新しき朝迎ふるわれら

010:かけら
携帯の着信ランプひとかけら散らせし人の黒き眼を思ふ

011:青
青みゆく空いや高く雲しろし千々にくだけし硝子に映る

012:穏
木々の根の穏やかに地を割るごとくエレベーターは下降しゆきぬ

013:元気
友きみは元気かと問ふ文ありてそに添ふ小さき画のいつくしき

014:接
音に泣きし昨夜に接ぐ朝眼の赤き子をいつくしむ若き父親

015:ガール
雲ちぎれ海の砕くる朝なれどエレベーターガール上昇下降

016:館
足音なき図書館 推理小説家の描きし館の美を思ふ昼

017:最近
数学の点を競ひし友がきの最近知りし今は亡きこと

018:京
京にあらば散る花あやに高瀬川に浮きわたるらむ恋ほしも京都

019:押
やはらかき桃指もて押しやれば水風船のごと転がりぬ

020:まぐれ
まぐれとは言ひたる人の目に浮かぶ涙の真下にぞ落つ

021:狐
遊歩道に足跡付けて背なに陽を受けて輝く町棲み狐

022:カレンダー
夢はるか去年破りしカレンダーに赤きしるしの紅顔の君

023:魂
たまきはる魂地上4m街灯として立ち並びけり

024:相撲
去年より年たけし子と相撲すれば土いたき冬になりにけるかも

025:環
土星環をかづきて君は天使ならむ痒き背中は羽の跡ならむ

026:丸
ぬばたまの鴉大きく丸を描き飛びき送電線のフレーム

027:そわそわ
などて君そはそは歩く カーテンを透かして赤く入日部屋に満つ

028:陰
夏の虫木陰に入りて靴底に湿りたる土付く昼下がり

029:利用
ご利用のATMの音声の情けなき世を過ぐす母子ら

030:秤
朝の陽を受けたる路に散る花を秤に乗せて春を知りたし

031:SF
SFの遠き星間行く人も逢坂の関越ゆるあたはず

032:苦
わが汗は流れ落つるを止めたらしスポーツドリンク苦き老いの日

033:みかん
夏みかんなづる人さし指細くテーブルに影ほのぼの落とす

034:孫
子も孫も何にかあらむ指ほども思ひのままに動かざんなり

035:金
錆の浮く金属の箱取り出せばトランプひとつからりと鳴りぬ

036:正義
紙に書く文字列我手より離れ知らぬ文字となる正義改変

037:奥
握りゐし手の奥に花 春ひさぐ女の髪のあはれ黒髪

038:空耳
空耳かピーター・フランプトンの曲ワンフレーズを確かに聴きし

039:怠
山にありては山の言霊かけまくも穢るなきをぞ怠るなゆめ

040:レンズ
凸レンズ指もて撫づるだに厚し引き出しの中輝きてあれ

041:鉛
2Bのトンボ鉛筆ころころと転がりて画家瞑目を止む

042:学者
言語学的意志にて学者口を噤む瞬間永久に言霊の葬

043:剥
洋梨の皮剥くナイフ見つめしを薄きつめたき冬のキッチン

044:ペット
マーブルの玄関先に爪立ててペット炎に眼を耀かす

045:群
山群れて雲ちぎれたる東の鋭き陽を受くる今ぞ暁

046:じゃんけん
さびしさは天上の星きらぼしの降り散るごとし子らとじゃんけん

047:蒸
わたつみの蒸発したる海水の天と深海貫く一矢

048:来世
来世あらば我が眼球を取りおきてにらみて見ばや誰か映ると

049:袋
ビニールの袋破りき音のなく破るることを確かめんとて

050:虹
虹のさす遠山際にうすうすと煙立ちたり時雨たるのち

051:番号
時過ぎていつしか君は引越しぬ郵便番号見知らぬ町へ

052:婆
皺の手を擦りて老婆座りをりスーパーマーケットの前を過ぐ

053:ぽかん
少女らはぽかんと口を開けたまま音なく花の散る夢を見る

054:戯
オセロウの死を擬くとき三年の月日は去りぬ戯ごととして

055:アメリカ
葉ひとひら散りぬ荒野を行く人は裸足のままのあはれアメリカ

056:枯
ひと知れず枯れゆく沼の水ぎはの木々のひとつとして人は死ぬ

057:台所
椅子鳴らし食器の前に座りたり台所には割れし平皿

058:脳
脳刺す金串なりや引き出しの奥に置かるるにぶき銀色

059:病
春すぎて病の床に夏の陽のあかあかと差す今は何時か

060:漫画
積む雪の踏まれて黒くなりたるに漫画のキャラの足跡さがす

061:奴
高天吹く疾風に震ふ奴凧へこみ傾き笑ひかき落つ

062:ネクタイ
ネクタイの縞の交錯恋人が恋人の首絞め上ぐる朝

063:仏
二週間経たば仏滅恋人が手と手つなぎて歩く仏滅

064:ふたご
ふたごらの読む本二冊違いたり 兄のみ笑い声を含ます

065:骨
花咲きて雨しぶく夏ま白なる小庭に埋む犬の骨あり

066:雛
雛鳥の軽きうぶ毛のやはらかくほとりと梅雨の残り雨ふる

067:匿名
書きなれぬ文字にやあらむ匿名の匿の字ひとつ大きかりけり

068:怒
怒りもて畳を殴る大名の拳の歴史 司馬遼太郎

069:島
西に雨降り東は晴れたる小島ありわが古里は瀬戸内の島

070:白衣
袖すすけ汚点の花咲く白衣着て学士なでしこ含羞みてあり

071:褪
スカーフの濃山吹色褪せたれば色いや優る君がかんばせ

072:コップ
コカコーラコップに注ぎ散る泡をにらむ八月別れの季節

073:弁
我は野に本を棄ちたり今ははや桜と紙とえ弁へず

074:あとがき
あとがきに遠き花火のおもひでを書きし本あり図書館にて読む

075:微
母の目に光走るを見きそれは微かに泣きてのちの眼の揺れ

076:スーパー
スーパーに並ぶ豚肉赤かりきそを食ふ人の肉や何色

077:対
人と桜対ふ三月風つよく散る花片の雪のごとしも

078:指紋
夏の日の暮れ残りたる部屋にゐて君の小さき指紋を舐むる

079:第
君の指かすかに曲がり唇の形となりき及第の夏

080:夜
暑き夜更けゆきながら舗装路は熱を喪ふ及第の夏

081:シェフ
鴨の乗る大皿を持つシェフの手のやさしき心抱きて文読む

082:弾
がらす玉弾く遊びをせんとして午前三時にさぐる抽斗

083:孤独
送信のされざるままに措かれたるメール捨つまじ孤独を数ふ

084:千
千々にちるワイングラスの水しぶき眺めて男一人立ちたり

085:訛
飲みこみし訛 鏡の前に来て口の動きで反芻しをり

086:水たまり
遠浅の海とも呼ばむ砂利道に長なが続く水たまりあり

087:麗
麗らかに差せる木漏れ日そろそろと足下に来ていづれ消え行く

088:マニキュア
むすめ十八白き歯を見せ笑ひけり赤きマニキュア頬に当てつつ

089:泡
椿水面にひつそりと落つひとつぶの泡の割れたる音を残して

090:恐怖
見上ぐれば落つる空より一片の禽の羽舞ひ来たる恐怖

091:旅
バス停の背中に生ふる葉を摘みて旅の栞の一片となす

092:烈
烈しきは浅瀬打つ波戸棚より降る陶磁器の欠片のかけら

093:全部
マンションの君の階まで階段の全部の段に振り撒こう花

094:底
隠り沼の底ひに沈む硬貨錆ぶ 愛はお金で買えぬものなり

095:黒
黒まさる障子戸の影香れるは夜物語の花散らば花

096:交差
交差路に鳥や鳴くなる人の群れ今一斉に歩き出したり

097:換
七月の人待つ夕のカフェにゐて換気扇の回転を追ふ

098:腕
思はずに我が子の腕を捉へたり指に非情の力込めつつ

099:イコール
賽の目の大き小さきイコールになべてか弱き神の宿れる

100:福
梅散る春桜咲く春のどやかに霞み立ちたる福ひの空
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テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

鏡連作

以前、twitterでつぶやいた一首をきっかけに、お題「鏡」で連作を作ってみました。
20首あります。
きっかけとなった一首は、初めの「人一人~」の一首です。




人一人鏡の前に立つ宇宙 宇宙に人は君ふたりだけ

阪急電車地下突入の瞬間の窓に映れる後頭部あまた

繊月の鏡の縁に夜を刻む白きものあり息の緒を吐く

とうめいの扉の食器棚映す鏡のうちに見知らぬ食器

手鏡に白き粉つきテーブルの氷水いま海となりぬる

見下ろせば湯を映す鏡 意味のなきごとき鮮血小指に滲む

鏡割れし闇に残れる静寂に針の痛みを知りてたゆたふ

鏡持ち窓辺に立てば高天果つる空に落ちなん子らぞすがしき

木の下暗がりもてゆく夏の木のもとの鏡うづもる湿りたるつち

直面をわがまなざしにさらすなり 松ひともとに影はあらざり

来客用玄関映す巨きなる鏡 かがみて人や泣くらん

CDを鏡に白き顔を見れば音飛びの傷に断たるる目玉

鏡面に衝たりて跳ね返る音のロックンロールを聞きていねけり

手鏡を持ちて座椅子に横たはる遠き記憶の君を真似をり

カーテンを引きし部屋にも朝満てり しとねに浮かぶ鏡のかたち

目を閉ぢて鏡の前に立つごとく人のひとりのこころをぞ思ふ

希臘の神話の古人の顔を見き いや美しき白きかんばせ

さみどりの縁のバッグに手鏡を覗かする人涙隠しき

丁字路を歪め立ちたる鏡ありその下を行く歪み人あり

かけまくも鏡よ鏡かがみさんガラスに衝たるカラスのこころ



以上です。
最近更新していませんが、短歌自体はちょこちょこ詠んでいるのです。

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コピー

いつの間にか2月も半ばを過ぎました。
そろそろ、題詠2012にも参加表明しようかな、と考えています。

ところで、題詠とは関係ないのですが、
去年twitterで、「〇〇のコピーを考えてください」 と広告コピーのようなもののお題を出すというアカウントを見つけ、
それに合わせて、一時期ハッシュタグで コピーのようなものをつぶやいていました。

和歌とは関係ありませんが、同じ言葉での表現だし、まあ、更新材料としてアリかな、と思うので、
題詠参加の前に、備忘録としてまとめてここに載せておきます。
量がわりと多いので、見にくくなってしまいますね。
「#〇〇のコピー」 って書いてある部分が、お題です。



恋をすると、音がきこえる。 #恋人が欲しくなるコピー
あなたの土地が、あの人の部屋も照らします。 #月の土地を買いたくなるコピー
恋人としての会話は電話、トモダチとしてはTwitter。 #Twitterのコピー
雪上ノ散華 #美しいと思う絵画タイトル
日差しすべてを反射する街 #東京から連想するモノ

花が似合わない風景はない 花が似合わない人もいない #花を買いたくなるコピー
生きた #美しいと思う死因
一年を、一週間ほど短くしよう #クリスマスを廃止させるコピー
2人のために、夜は静か。 #夜に電話したくなるコピー
一晩中、あなたの窓を叩いていたんだ。 #雨を愛したくなるコピー

煙草の似合う顔がある #煙草のコピー
大切な人との時間を煙に変えて、今、あなたは幸せですか #煙草のコピー (禁煙版)
氷を引っかく音の価値 #ウイスキーのコピー
耳が切りつけられた朝 #秋の終わりを感じる時
星を見よう 星の向こうにある星を #天文研究会勧誘コピー

好きな人が、あたたかい #冬が待ち遠しくなるコピー
青の空が沈んでくるとき #夜が始まる瞬間
あの日眺めた風景に もいちど出会う日のために #写真を撮りたくなるコピー
季節は私のものになる #フレグランスを愛したくなるコピー
にゃあ、と呼べば、無視される #猫を飼いたくなるコピー

こころを、ひっ掻け #詩を書きたくなるコピー
飛び込め、世界へ #哲学を学びたくなるコピー
歌を忘れた。昨日までは覚えてたのに。 #I_Miss_Youの意訳
サンタのろうそくは、マッチで灯そう。 #クリスマスケーキを予約したくなるコピー
男は、顔でつぶやく #アイコンを変えたくなるコピー

あのころと同じ笑顔になれる場所へ #田舎に帰りたくなるコピー
顔を上げよう、靴音が変わる #月曜日を好きになるコピー
「そのままの君でいい」? 私はスリムな私がいい。 #ダイエットしたくなるコピー
君の見ている世界を、見たい #絵を描きたくなるコピー
思い出は、チョコで作られる。 #チョコを愛したくなるコピー

君の前髪の雪は、僕がはらってあげる #雪が待ち遠しくなるコピー
すべての人が大切な人になる。 #孤独を愛したくなるコピー
『あい』から始まることばです。 #日本語を愛したくなるコピー
ひ、ふ、み、よ、でどこまで数えられる? #日本語を愛したくなるコピー
あなたのことを振らないで済む #片思いも悪くないと思えるコピー

まずくても食べたげる。おいしかったらいっぱい食べたげる。 #料理したくなるコピー
出来ないことは多いけど、割といろいろ出来ちゃうらしい。 #自分を愛したくなるコピー
数え切れない数を数えてみたくない? #数学を学びたくなるコピー
とりあえず、ひらがなにしてみた “しゅうかつ” #就活が楽しくなるコピー
きみを待ってる、今 #待つ事が愉しくなるコピー

あのころの不真面目なロクデナシは、ロクデモナイ真面目になりました。 #恩師を思い出したくなるコピー


こんな感じです。
こうしたフレーズを考えるときに、ひとつ意識していたことがあります。
肯定的なフレーズにすること。

商品の購買意欲をあおったり、前向きな気持ちにさせたり、
そういうのが 「コピー」 なんじゃないかな、と。
まあ、そうではないコピーもあるのかもしれませんが。

続・即詠のこと。

前回投稿した即詠五首について、mixiに同じ日記を投稿したところ、
マイミクであるうたのわ歌人の方からコメントをいただきました。
その際、調子に乗った僕が各首についての長文コメントをつけてしてしまいました。
自作について解説するっていうのも、みっともないことかもしれませんが、
自分の作歌のプロセスを言語化してみるっていうのは面白いと思ったので、
そのときのコメントを編集して記事にしてみます。

今回のテーマ 「選ぶ」 の場合、自分の中での 「選ぶ」 っていう言葉のイメージが
どんなものなのかを意識してみました。
元ネタの本「短歌はプロに訊け」でも書かれていましたが、
「選ぶ」 っていうのは、意識的な動作なんですよね。
では、それを崩したところに、歌の面白さが出るんじゃないか、といったところを
スタート地点に据えて詠み始めました。


・十五分 長く過ごそか短くか選ぶ手の中まんが一冊
客観的には同じ 「時間」 でも、「選ぶ」 という意識によって意味が変わってくる、
それを 「まんが」 というもので象徴的に表した、って感じでしょうか。
象徴的に表せているといいな。


・選ぶには限られすぎた選択肢 君の右手か、それか、左手
恋人の手を 「限られ」 た 「選択肢」 として、恋愛の持つ含みを
逆説的に表現してみようかと思いました。
「それか」 ってのが、ただの字数合わせでなく、意識の置き所を
読み手に引き寄せるものになっていればいいな、と思いつつ。
あ、「選択肢」 を 「選択し」 とミスタイプしていました (汗 修正しました。


・選ぶまじ雨の長夜のさわめきの音と聞こゆる二つグラスを
先ほど言った 「選ぶ」 という動作の意味から考えて、
自分の意図にはよらない 「雨」 を 「選ぶ」 というところから着想。
まとまりが悪いので、雨になぞらえて、じゃあもう一つ 「グラス」 を入れてみようかと。
即興の割には、「雨」 「夜」 「グラス」 そして、「二つ」 という言葉が、
高い親和性を持ってくれたような気もします。
が、何を言いたいのか分かりにくい気もします (笑


・散り掛かるあたら雪花ひとつぶを選みとるごと君と出会ひき
1~4句はこれ序詞っぽいですね。
結句の 「君と出会ひき」 を、どれだけ演出できるかの一発勝負。
そんなわけで、全体的に演出過剰気味なため、
もし結句を 「君と出会ひけり」 と、してしまうと一気に面倒くさい歌に
なってしまいそうです。
「逢ふ」 という感じを使っても、重たくなってしまいますね。


・葉一枚選び捨てたのなんでかって 朽ちた黄色はすきなんだけど
やっぱり 「選ぶ」 の意味に立ち返って、意図的に選ぶべきなものは
「好き」だったり 「嫌い」 だったりするものなのかどうか。
感覚と現実との間のかみ合わなさって、ありますよね。
「なんでかって」 の後ろが、全く答えにはなっていないのですが、
答えって出ないなあ、と思いながら、
その答えが出せない感じを詠み込んでみようと思いました。
ただ、「朽ちた黄色」 って表現は、改めて見るとくどいかもしれません。


以上、セルフライナーノーツでした。
ただ、「それおかしい」 とか、「自分はそんな読み方しなかった」 って意見は
出てきそうな気がします。
もし、ご意見あればお聞かせください。
自分の手を離れた歌が、他の方にどう読まれるか、興味深いところです。

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即詠のこと。

自分は普段、歌を作るのにあまり時間をかけないことが多い気がします。
もちろん、苦吟して、言葉を選び取るのに時間がかかることもあるのですが、
詠めるときに、あまりひねりもなく詠み上げてしまうことが、割と多いのです。

まあ別に、即詠の技術がアドバンテージになるほどの歌を、僕が詠めているかというと
そんなこともないわけで、推敲を重ねる持続力に欠けているだけなのでしょうが、
そういう反省は今回、ひとまず置いておきます。


以上、前置きでした。
最近、「短歌はプロに訊け」穂村弘・東直子・沢田康彦 という本を読んでいて
その中に、「選ぶ」というお題で詠もう、って章があって、僕も試しに作ってみました。

十五分 長く過ごそか短くか選ぶ手の中まんが一冊

選ぶには限られすぎた選択肢 君の右手か、それか、左手

選ぶまじ雨の長夜のさわめきの音と聞こゆる二つグラスを

散り掛かるあたら雪花ひとつぶを選みとるごと君と出会ひき

葉一枚選び捨てたのなんでかって 朽ちた黄色はすきなんだけど


以上五首、所要時間十五分くらい。
出来具合、というか切迫感というのか、歌の持つ雰囲気が安定しないのが、
難しくもあり、面白くもあります。

僕は「うたのわ」という和歌の投稿サイトに自作を投稿しているのですが、
うたのわでは、投稿されたうたのページに 「詞書」 と 「ひとこと」 という、
うたへのコメントを入れる欄があります。
僕はその欄に投稿のときに即興で作った歌を入れることがあります。
ありますっていうか、多すぎるくらいかもしれません。
そのうたをカウントすると、総作品数が2~3割くらいは増えるかも、ってくらい。
自作にもう一つ自分の発想を乗っけるというのが、変な作業だなあと思いつつも、
これがなかなか面白いのです。難しいけれど。

まあ、長々と何が言いたいかというと、
即詠って楽しいよね、ってことです。
反射神経勝負なところとか、発想の変なところが刺激されるというか。
なので、贈答歌なども、割と好きなのです。

以上、久しぶりの更新の割に、まとまりのない話題でした。

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震災に寄せて。

ひとつ前の記事をふまえた上で、自分の考えを言うと、歌は、「物語」だと思います。
客観的データではありません。
せめて、そうした「物語」を歌うという自覚の上で、歌を作って行きたいと思います。
以下、震災、津波、原発についての歌です。
直接震災に関係ない歌もありますが、震災に触れて考えたことを歌にしたものです。


親指で裏と表が入れ替わるコインの上に住む我らかなし
報道に映る被災者映らない被災者全て平穏であれ
白雪の温くもあらな 地に足を突き立ててみな生きて生きたり
ただ君と君へつらなる一万の寝息聴きたし 耳をすます
街灯の明るき一つひとつにぞわがたまきはる命立ちける
夜の闇の暗きにくらき闇のうち光る瞳は日の方を見る

とんがれる月に睨まれ心地して地面を、ただ地面を見詰む
歌ひとつ詠みて無事なる自が身に罪は潜めり 雪の降る町

裸足にて踏むことできぬ原発の土ぞかなしき半径5キロ
天照らす日をも飲みつる人々の小さかりけり腑をな焦がしそ
どこまでも東に向かい歩いたら原発も越え日は昇るだろう

暖かき日々の続きに雪のあらばなどて桜の散るぞ口惜しき
流されし桜いづれはいづかたに花開かする春こそあらめ

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震災についての歌を詠むにあたって。

次の記事で、震災の歌を投稿しますが、
投稿にあたり、考えたことをまとめておきました。
長文です。
無理に読まなくても結構かと思います。



震災からひと月半が経ちました。
依然、避難されている方も多く、行方不明者という方もまだまだいらっしゃいます。
死者のご冥福を祈るとともに、
被災された方々に、一日でも早く安息の日が来ることをお祈りします。

今回の震災では、多数の死者を出した津波に留まらず、
原子力発電所の事故という事態が重なりました。
こうした事態について、語るだけの知識の持ち合わせは僕にはなく、
またこのブログで語ることでもないのと思っていますので、長々と書くことは避けます。

ただ、ひとつ考えたこととして、
自分たちが、いかに「物語」に依存してきたか、ということがあります。
今回の原発禍で明らかになった、「安全神話」のずさんさもそうですが、
原発推進派に限った話でなく、原発反対派の主張にも「物語」に寄りすぎた印象があり、
さらに言えば、たとえば原子爆弾反対の主張にも、それは見える気がします。
原爆反対の主張は、主に「物語」で原爆の恐ろしさを伝えています。
もちろん、「物語」で人々の意識を喚起すること、それ自体は問題ではありません。
むしろ、大切なことだと思います。
「物語」のインパクトは、耳目を集める上で大切なツールとなることでしょう。
ただ、「物語」に頼りすぎる弊害というのもあるのではないかと思います。

ある主張を広く知らせる意味で、「物語」は、非常に効果的です。
ただ、ものごとを主張する際には、その根拠となるデータが不可欠です。
実証的なデータによる根拠付けと、「物語」により意識の喚起は、
車の両輪のようなものだと思うのですが、日本では、「物語」が重視され、
根拠の薄い主張が声高に叫ばれる傾向があるのではないかと思います。
その結果、「物語」に喚起された主張は、データから論を展開しようとする主張を
頭から否定し、議論の俎上に載せることを避ける傾向があるのではないでしょうか。
そして、議論を避けた結果、折衷案すら出ることなく、
極端な推進や無意味な停滞を招くのではないでしょうか。
またデータから主張を展開する側でも、自分たちに都合のいい物語に次第に引き込まれる、
という悪循環を引き起こす構造は、今回の「安全神話」にも見える気がします。

今、原発禍について、様々な論調が生まれていますが、これが「物語」になったとき、
なまじ問題が大きかったことで、逆に原発推進派と原発反対派の溝が
大きくなるのではないか、と危惧しています。段階的削減とか出来るんですかね。

というわけで、原発を囲む環境について、あまり楽観的にはなれないのですが、
せめて、正確な情報から中立的に考える、という意識だけは持ってゆきたいところです。
間違うこともあるかとは思いますが。


そんなことを、いろいろと考えてしまったわけです。
その上で、次の記事では震災に寄せる歌を投稿します。

震災から一週間。

墓碑銘を欠き刻みたるひと文字のきしる音こそ汝が証しなれ


少し先取りして、題詠062「墓」として作った歌です。
『うたのわ』にも投稿しましたが、詞書はつけておりません。
誤解を受けるかもしれません、不謹慎な歌と捉えられるかもしれません。
それでも、この歌を出したかった。
なんというか、墓碑銘を刻むのは生きた人間なんだと思います。


震災、津波、そして今は原子力発電所の動静、
3月11日からここまでの一週間、あまりの事態に、言葉も継げない心持ちでした。
歌を詠むということ自体に対しても、自分の中で迷いが生まれていたことは否定できません。
といっても、もう今後歌を詠まないというのではなく、内省的な歌なんかは生まれてしまうわけです。


歌ひとつ詠みて無事なる自が身に罪は潜めり 雪の降る町


震災以降、応援のための歌というものを、避けていました。
言葉が上滑りすることを危ぶんだわけです。
それでもまあ、何首かは詠んのですが。


白雪の温くもあらな 地に足を突き立ててみな生きて生きたり
報道に映る被災者映らない被災者全て平穏であれ
ただ君と君へつらなる一万の寝息聴きたし 耳をすます


素直な気持ちで詠んだつもりではいるものの、やはり、自分の歌の手触りに悩みました。
そして、その悩みは、震災被害に遭われた方には関係のないことなのです。

とまあ、色々考えてみて、とりあえずの結論としては、結局自分の出来ることをやるだけなのかな、と。
いや、募金とかボランティアとか、そういうのは別として、歌で。
『うたのわ』や、このブログで。


このブログで進めてきた題詠ですが、実はもう、百首完成していたりします。震災前に。
震災後の歌は一首もないので、ある意味日常すぎるくらいに日常から生まれた歌ばかりなのです。
というわけで、このブログの趣旨に戻り、近々題詠の投稿を再開しようと考えております。
しかし、そのことに対して、複雑な思いを抱かれる方も多くいらっしゃるかもしれません。
コメント欄などで、ご意見やご教示をいただけると幸いです。


うたのわでは、歌を投稿されたことでご無事が確認できた方もいらっしゃいました。
僕が投稿した歌をお気に入り登録してくださったことでご無事を確認できたりもしました。
今後もしばらくはこうした流れが続くことと思います。

もちろん、うたのわが普段と変わらぬ場所としてあることに、大きな意味はあると思います。
ただ、今の自分の歌では、その役目は担えないだろうとも感じております。
なので、うたのわの方には、題詠の投稿はしばらく差し控えることとします。

[うたのわ]和歌(短歌)の投稿、共有サービス
http://utanowa.net/


震災に遭われたみなさまのご無事と、一日も早い被災地の復旧をお祈りします。
プロフィール

三沢左右

Author:三沢左右
短歌を詠みます。

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